nikki

日記

オーバーリング・ギフト (DDD青山クロスシアター)観劇メモ

公演も無事終わってプライベッターに投げていた感想をこちらに加筆して移行。

初日の6月15日夜と22日の昼に観劇。初日の熱凄かった。

 

会場着いた時に、意外と小さめなハコだったんだな〜ミュージカルで動ける範囲が少ないのって大変なのかな?なんて思ってたけど迫力に圧倒された。最後列まで届いてたよ!
舞台全体も後方の席は見やすくてハッピーでした。

 

舞台装置が回転・開閉式になっていて、ロスト街とオーバー街(貧民街と富裕街)がくるくる回って表現されるのが面白かったですね。


オーバーの様子は基本的にプロジェクションで、物語が展開されていくロストは、スチームパンク風?なセットで表現されていた。
回転式の舞台装置もそうだけど、ロストの人たち(モブ)も、深めのフード付きポンチョを被った衣装をきたキャストたちが演じていて、うまくできてる〜〜〜〜!と膝をうった。

回転式の舞台は黒子ではなく、キャストさんがそのまま回す。なんだかヴィネットっぽいというか、人形劇っぽいというか、箱庭っぽいというか、とにかく雰囲気づくりに一役買っていた。
壁ビリビリしたやつ毎公演直すのかな?と終演後思った。

(22日によく見てみると、ラストシーンで壁を壊すときに張り替える部分が最小限で済むようになっていた。うまい。)

 

トトイ、ルージュ、ミロコ、咲耶たちは衣装もスチームパンク寄りで観てて良かったです。トトイの耳あて?かわいい。

 

冒頭の歌とダンスから最後まで退屈なシーンがなくてぎゅっと詰め込まれていて良かった。
冒頭のあの歌とダンスで、骨組みだけの傘を使ったパフォーマンスをしていたのを見てどうか怪我なく最後まで走り抜けて欲しいと思った。

怪我なかったようで本当に良かった。

 

22日は真ん中下手寄りで観ていた。座ったときにあっと思ったけど、冒頭のダンスで推しが正面にくるポジションだったので、終演後背中にビッチョリ汗をかいていて自分でちょっとひいた。

 

才能がリングによって管理され、与えられた才能によって将来が決まってしまう、管理社会になっている世界。

リングを与えられたものが暮らすオーバー街と、リングを持たざるもの達が壁を隔てた向こう・ロスト街で暮らしている。

ロストで暮らすトトイのピンチを、オーバーで暮らすアスターが自分のリングを外して助けたところからお話がまわりだしていく。

というようなストーリー。

 

以下はキャラクターとキャストさんについての感想。

 

イラッシュ(風間由次郎さん)
初日のアンコールにて噛み締めた表情でお礼を伝えている姿が印象的だった。
トーリの中では佇まいで語る情報量が多く、きっとこういうのは難しい役なんだろうなと思った。(私は演劇経験が中学の文化祭で出た劇くらいしかないから、分かりませんが……)
でも市長としての覚悟を背負っているんだなと思う、気迫が伝わってきた。彼らが幸せになる日が来たらいいのにね。
ダンスもかっこよくて冒頭でハートを撃ち抜かれました。観てよかった!ありがとうございます。本当におめでとうございます。

 

カゲツ(富田健太郎さん)
とみーの公演はブラステ等をDVDでいくつか拝見したのですが、生で観劇するのは初めて。
キャラクターとしては純粋で家族思いのいい子で、それ故に思いつめてしまったという感じで、切羽詰まってる状況を歌に乗せて伝えている姿が印象的だった。見てるこっちが辛くなるくらいの表情を見せてもらった。
後述するアスターと同じく、家族を失った後、また新たに家族(になるであろう人)をロストの街で得て、救いがあってよかったなと思う。

22日に見たときの歌が初日より良くなってた!凄い!とみーあつい男だな。

 

咲耶(中村百花さん)
声量があって通る声でした。中村さんのことはよく存じ上げなかったのですが、迫力半端ない、加藤さんと同じくらいパワーがあるのでは……!加えてストラボでの配信のあの本人の感じ、好きになっちゃいます。
ただ単に声が大きいということじゃなくて、表現力があった。だからパワーがある。繊細なビブラートにうっとりしました。キャラクターとしても思わずお母さん……!と言いたくなるような包容力があった。それも歌声に説得力があるから倍増。イラッシュと会えなかった後の「女の人」になっちゃう演技を見てお母さん……幸せになって……!と思わずにはいられない。

22日に観たときにはまた歌により感情が乗っている気がしてすごく良かった。鳥肌たつ。

ご本人のインスタで声楽の先生が観劇にいらしたという内容のコメント付きで写真をアップされていて、納得。

22日昼のアンコールでは彼女がトークしてくださいました。お話もビシッと締めれてカッコよかったなぁ。

 

ミロコ(加藤潤一さん)
劇プレ関連のストラボでポツポツと加藤さんの歌声を聴く機会があって、うわー歌が上手い!ミュージカル観てみたい!と思っていたので嬉しかった!
お父さんらしいどっしりと構えた感じのキャラクターで、彼が明るく歌うと何か安心した。
過去にオーバー街の人に赤ん坊を売った経験があり、その後トトイを引き取って生活している。命をモノとして取引したことへの贖罪として、ロスト街で家庭を築いていると考えると辛くて、
トトイが死んでしまった後の彼の歌で泣いてしまった……包容力がすごい……お父さん……

 

ルージュ(島ゆいかさん)
最初のキャストが発表された時は、可憐Girl'sで『かなりきてる無敵のパワーマジでいい感じ』って歌ってたあの頃のイメージが強くて、え?あの子もうこんなに大きくなったの?!?!という驚きが……大きくなったんだねえ……
ルージュちゃんは思春期のツンケンしちゃう女の子〜〜〜!かわいい〜〜〜!トトイの事が好きと自覚する咲耶とのデュエットは素晴らしくて、聞き惚れていて拍手を忘れたくらいでした。本当に良かった。ちょっとこっちが恥ずかしくなるくらい思春期。でも根は素直なんだろうなと思わせる自然体の気の強い女の子像が歌声にも出ててキュンとしました。

ミロコは大人の対応でイラッシュが来ていたことを咲耶に秘密にしていたのに、それを伝えちゃうあたりもかなり思春期でいい……。

 

トトイ(溝口琢矢さん)
明るくて、人懐っこくて、とってもキュートなトトイ。当て書きなのかな?というくらいハマってたように思う。当て書きなのかな。
自分のリングを捨てて自分の窮地を救い、リングを持っていても持っていなくても何も変わらない人間だと言ってくれたアスターの為に何かしたい一心で、オーバー街を追い出されてしまったアスターを自分の家に誘ったり、ロスト街での仕事をアスターに教えたり、危険な仕事の手伝いをしたりと、彼のキャラクターが掘り下げられるほどに、ルージュが好きになるのも分かるな……と思わせられる魅力的なキャラクターだった。かわいい!

 

アスター(猪塚健太)
彼が由次郎さんが作り上げた舞台を特別に思っていることは、劇プレを好きになってから日の浅い私でも伝わってきた。本当に開幕おめでとうございます。
良い主人公だったと思う。アスターを通して鑑賞者も他のキャラクターの愛を感じる事ができた。
SFで設定がたっていると、同じ人間として見る事ができなくて、没入度が下がってしまう事があるんだけど、今回は素直に物語を見る事ができた。とても楽しめた。

初日に感慨深そうにトークしているのが印象的だった。

 

 

トーリーについて感じたこと 

 

才能がリングによって管理されていて、結局お金を持ってなければ良い才能がもらえない。貧民にはリングが与えられていないし、オーバーの人間からとは隔離されて、ロストたちは街ごとその存在を隠されている。

オーバーでリングを違法取引したことでロストの存在がオーバーで広まってしまい、イラッシュは市長として対策をしなければならなくなり、壁を強化してロスト街ごと管理しようとする。

「愛する事が僕たちロストの才能」と見出して、互いに支えあいながら街を出ていくことを選ぶ、というエンドでした。

 

トーリーについては、キャストさんの演技と歌によって語られていない部分を想像できるようになっているなと思った。
例えば、イラッシュと咲耶の間に具体的にどんな事があったのか、だとか、トトイ、ルージュ、ミロコがどのように家族になっていったのか、だとか。
想像の余地があるお話は色々観た後も自分の中で楽しめるし良いですね。

好意的に考えるなら、イラッシュは咲耶の姿を見ると市長としての立場を保っていられなくなるから会わずに出ていったのかなと。そう思うと悲しいですね。

そういやカゲツにはお父さん以外の家族はいないのかな? やっぱりいないからあんな破れかぶれだったのかな。

 

リングによって管理される才能というのは実際どんな種類があるのかとか、本当はリングは才能を付与するのではなく単なる階級を示すものなのではないかとか。

上流階級による管理の象徴だから首輪になっているのかとか。

リングにまつわる設定は物語のキーでありながらあまり語られないので想像すると楽しいですね。

 

若手でオリジナルのミュージカルで、というのはきっと様々な壁があったかなと感じました。

苦難の中家族のような人たちとのつながりと愛を得て、文字通り物理の壁をぶち壊して乗り越えていくストーリーの終わり方に、由次郎さんのこれからを応援したいなという気持ちになりました。もちろん他のキャストさんも。

いろんな挑戦が詰まった舞台を見て元気を貰えたなー、と思いました。ありがとうございました。